シェアハウス運営を通じて神戸市近郊の留学生一人ひとりのやりたいことに寄り添う事業
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認定NPO法人まなびと(以下、まなびと)は、休眠預金等活用法に基づく「外国人と共に暮らし支え合う地域社会形成3」の実行団体として、「外国人人材発掘・育成事業」に取り組んでいます。(事業期間:2024年4月10日〜2025年2月28日)
事業の背景・課題
神戸市では、コロナ禍前後で、ネパール、バングラデシュ、ミャンマーの留学生は倍以上に増加しています。現在、物価高や光熱費の高騰の影響を受けた生活費の増加により、彼らの経済的負担が増しています。また、私たちが活動する神戸市中央区は地代家賃上昇しているために、留学生が住むことの出来る住居が不足してきており、これまで以上に狭い部屋をこれまでよりも多くの人数でシェアしなければならない状況が生まれてきています。今まで4人で住んでいた部屋を6人でシェアしているという声もあります。そんな中で、日本語学校では結核の留学生が見つかるなど、生活環境の悪化に伴う、精神的・肉体的な不健康も社会問題となりつつあります。
実は、彼らに対しての支援が社会の中に全くないわけではありません。ですが留学生が生活の中で直面する困難は多岐にわたり、情報へのアクセスが困難であったり、時間や距離的な制約により支援機関にアクセスできない状況に置かれたり、心理的なハードルや体力的な疲労から支援を求めることが難しくなっています。
また、各国出身者によるコミュニティが形成されつつあり、地域内での分断が始まっています。各国コミュニティは安心感があり、当事者性が高いために一体感がありますが、一方で情報が誤っていたり、関係性が固定化されるために個々人の自由な選択が後押しされにくかったりといった問題もあります。また、国別コミュニティごとにまとまることで地域としての統合が進まず、地域内での分断を強めてしまいます。
留学生が安心して生活し、自己実現を果たすためには、地域とのつながりを強化し、日常的に気軽に繋がれる環境を整備することが必要です。また、単発的な支援ではなく、留学生の生活全般にわたって継続的に関わり、支援を提供する仕組みの構築が喫緊の課題となっています。
事業概要
コロナ禍以降増加しているネパール、バングラデシュ、ミャンマーからの日本語学校在籍中の留学生は、経済的に不安を抱えた状態でありながら日本の地域社会との関係性も希薄で、社会的に弱い立場にあります。私たちは本事業を通じて、彼らが日本で安心して生活を送りながら、自分なりのキャリアを描き、自己実現をするサポートをします。
留学生の生活安定を図るために、月1回の食糧支援と生活相談を実施します。また、ちいき食堂やスポーツイベントを通じた地域社会との交流を提供します。アルバイト探しや就職活動のサポートも行い、留学生が日本の職場や社会に適応できるよう支援します。
上記のような支援を留学生が利用しやすくするためには、顔の見える関係が不可欠です。それを実現するために留学生を対象としたシェアハウス事業を行います。近年、都市部の地代家賃が上昇しており、低所得な外国人留学生が安心して住むことのできる住居を手に入れることが難しくなっています。そういった現状に対して、私たちがシェアハウス事業を行うことで、単に住居を提供するだけにとどまらず、留学生が多忙な時間の合間をぬってコミュニティを形成し、いつでも相談できる仲間を得られる環境を作ることが出来ます。さらに、留学生の生活を縦断的に支援するため、ICTを活用したサポート体制の構築にも取り組みます。地域のIT企業やIT系専門学校と協力し、留学生がより効果的に情報やサポートを受けられるよう取り組みます。これらの取り組みを通じて、私たちは外国人留学生が日本での生活を安定させ、自己実現を果たすための縦横にわたる支援を提供します。また、シェアハウス事業を助成終了後も継続することで、外国人支援の財源を確保し、持続可能に支援活動を実施していく体制づくりを目指します。
事業内容
- 留学生向けのシェアハウス運営
- 入居者への相談窓口設置
- 交流イベントの開催による、地域内コミュニティへの参加促進
- 企業連携による、ボランティア活動との接続
- シェアハウス内での日本語教室開催
- ICTを用いたサポート体制の構築
休眠預金活用事業とは
「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度から始まりました。以下、休眠預金等活用の概要についてご紹介します。