外国ルーツの子どもたちが「地域の中で孤立せずに自我を育み、社会で生きていく力を手に入れられる」ための仕組みづくり
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認定NPO法人まなびと(以下、まなびと)は、休眠預金等活用法に基づく「外国ルーツ青少年の教育スタート支援」の実行団体として、「外国ルーツ青少年の自己実現を目指した伴走支援体制構築事業」に取り組んでいます。(事業期間:2023年4月1日〜2024年2月29日)
事業の背景・課題
神戸市中央区は「人口の1割が外国人」と言われ、外国ルーツ青少年の数も多いエリアです。昨今の水際対策の大幅緩和を受け、訪日外国人も増加傾向にあり、外国ルーツの青少年についても、今後さらなる増加が見込まれています。一般の児童数増加も見込まれていることから、現在の学童保育サービスの枠組みでは、児童および外国ルーツ青少年へのケアを十分に行うことができなくなると予想されます。
一方、学校現場では多様な子どもたちそれぞれに合わせた支援を行き届かせることが難しいのが現状です。外国ルーツ青少年に視点を絞ると、「日本語の習得」はもちろん「文化・慣習」の理解が思うように進まず、学校の中で居場所を見いだせないケースが増えています。国籍も多岐にわたり、ウクライナからの避難民など「単に言語習得だけではない文化理解」や「物価高騰に伴う生活困窮状態への支援」「心理的ケア」など、ひとりひとりが必要とする支援もコロナ禍以前に比べて非常に多様化しています。
事業概要
まなびとの既存事業である「学童保育」や「オンライン学習支援事業」等に在籍する外国ルーツ青少年に対して、①初級日本語教室、②学習支援、③遊び場での受け入れ、④フリースクール等への引継ぎ、⑤ちいき食堂への受け入れを行い、事業の枠組みを整えながら徐々にサービス利用者を広げていきます。同時に、⑥地域内外の団体との連携強化により支援のブラシュアップや役割分担を行い、事業終了(〜2024年2月)までに、次年度以降も持続する支援体制を築くことを目指します(含む資金調達)。
「学習支援による学力向上」に加え、遊び場・ちいき食堂での多様な他者との関わりから「ソーシャルスキル」を得ることで、外国ルーツの子どもたちが「地域の中で孤立せずに自我を育み、社会で生きていく力を手に入れられる」仕組み作りを進めます。まなびとの既存事業である学童保育を「地域内の外国ルーツ青少年を受け入れられる学童」へと体制整備することで、他地域・他事業者にとっての先進新事例となれるよう、取り組んでいきます。
事業内容
- 外国ルーツ青少年に対する、初級日本語教室
- 外国ルーツ青少年に対する、学習支援
- 外国ルーツ青少年に対する、遊び場での受け入れ
- 外国ルーツ青少年についての、フリースクール等への引継ぎ
- 外国ルーツ青少年に対する、ちいき食堂への受け入れ
- 地域内外の団体との連携強化
休眠預金活用事業とは
「民間公益活動を促進するための休眠預金等に係る資金の活用に関する法律」(休眠預金等活用法)に基づき、2009年1月1日以降の取引から10年以上、その後の取引のない預金等(休眠預金等)を社会課題の解決や民間公益活動の促進のために活用する制度が2019年度から始まりました。以下、休眠預金等活用の概要についてご紹介します。